あさイチで特集・死後離婚が急増しているワケ

あさイチで特集・死後離婚が急増しているワケ





NHKのあさイチで死後離婚が特集されました。

(2018年10月15日)

死後離婚とは、妻が夫を亡くした場合(その逆も同様)、夫側の親族を縁を切ることの通称です。

実際に役所の手続きは姻族関係終了届という書類を提出しますので、姻族関係を終了させること=死後離婚と呼ばれているのです。

何だかおおげさだな、と思われたかもしれません。

ですが、どの夫婦にも起こりうる身近な問題です。

夫が先に死んでしまう可能性はどの夫婦にもありますし、夫がいなくなってからの環境がどう変化するなんて予想もつきません。

現在結婚されている方は知っておいた方が良い情報です。

番組では実際に死後離婚した方のエピソード等が紹介されていたのでまとめます。
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死後離婚とは

死後離婚、つまり姻族関係終了届の手続きは、実際に夫婦が離婚するわけではありません。

妻が夫の姻族との関係を終わらせることを指します。

手続きは簡単で、姻族関係終了届というA4の用紙と印鑑があればいつでも提出できます。

いつでもというのは、夫の死後すぐでなくとも、数年経っていても問題がないということです。

後から親戚関係が悪化した場合でも姻族関係は終了させることができます。

また、縁を切るのは夫の姻族だけですので、遺族年金などの手当ては変わらず受け取ることができます。

死後離婚はどのくらい増えている?

死後離婚が急増している、といってもどのくらい増えているのでしょうか。

姻族関係終了届が提出された件数を見てみると、

2008年に2000件弱だったのが、2017年では4895件と倍以上に増えています。

また、番組独自のアンケートによると

死後離婚したいと思う方は5人に1人いるそうです。

わりと身近な数字ですよね。

ここまで死後離婚が増えている背景には、世代間による家族観のズレがあります。

親世代は、結婚とは家に嫁ぐものという考えがあり

妻世代は、夫の親と結婚したわけではないという考えがあります。

私も後者の考えですので、もし夫に先立たれた後に義理の親や親戚たちとトラブルになることがあれば迷わず姻族関係を終了させると思います。

死後離婚する理由は?

死後離婚する理由は?

死後離婚をする理由は、夫の親族と縁を切りたいということが一番です。

詳しくは介護、遺産、不仲、お墓の問題などが挙げられます。

介護が不安で死後離婚するケース

番組で紹介されたのは、夫の死後2人の子どもを育てる妻のケースです。

遺族年金とパートの収入でなんとか生活をしていた妻にとって、義理の母の介護は不安の種でした。

2人の子どもに加えて義理の母まで面倒を見る余裕はない。

でも、介護を頼まれたときに断りづらい。

断った場合、ひどい罪悪感に襲われるだろう…。

不安で仕方なくなった妻は姻族関係終了届を提出することを決意します。

姻族関係がなくなっていると、介護を頼まれたときにキッパリと断ることができる。そう考えたのです。

このように介護を理由に姻族関係を終了させる方が多くいます。

また、姻族関係終了届を手元に持っておくことで、辛くなればいつでも姻族関係を終了させればいい!

と、お守り代わりにしている方もいるそうです。

義理の親の扶養義務について

義理の両親と同居している方はたくさんいらっしゃいます。

同居している場合、夫が亡くなった後も流れで介護を手伝わなければいけない…と思いますよね。

ですが、道徳上の扶養義務というだけで、必ず義理の両親を介護しなければいけない!という法律はないそうです。

もともと義理の両親と別で暮らしていた夫婦は特に、介護をする義務はありません。

番組に出演されていた弁護士さんによると、義理の両親の面倒を見なかったからといって罰せられることはないのです。

ですから、夫の死後も義理の両親の介護をしなければいけないのか…と不安に思われている方は、重く考えなくて良いのです。

遺産トラブルで死後離婚をしたケース

夫を癌で亡くした妻のケースです。

夫の死後、これまで仲が良かった親族とぎくしゃくすることが増えたそうです。

夫が元気だった頃、義理の両親は「自分たちの面倒は見なくていい」「きちんと蓄えはある」と言っていたにも関わらず、お金を催促してくるようになったのです。

形見分けのときから「私たちはお金がない」ということをアピールし始め、相続の手続きも早くして欲しいと言われる始末。

この夫婦には子どもがいなかったため、義理の両親にも相続権が発生していたのです。

妻は弁護士をたてて相続の手続きを行いました。

ですが、義理の両親や妹に「相続分が少なすぎる!」「もっと遺産はあったはずだ!」と根拠のない言いがかりをつけられてしまいます。

お金に関するトラブルに嫌気がさし、妻は姻族関係終了届を出すことを決意します。

姻族関係を終了した後は義理の両親たちに縁を切ったことを伝え、遠くへ引っ越したそうです。

この場合、妻は夫のことを愛していたにも関わらず姻族関係終了届を提出しなければいけなくなりました。

最愛の夫の家族とも良好な関係を続けていきたいと考えていたのに、とても辛い決断をすることになったのです。

生命保険の相続トラブル

亡くなった夫が生命保険に加入していることが多いですよね。

この生命保険は遺産相続の対象ではありません。

番組で紹介された例です。

妻に1000万円の生命保険がかけられていた場合、全てが妻のものになります。

夫の遺産が500万円だった場合、これを妻、義理の両親で分けることになります。

ここで、義理の両親は「妻は生命保険ももらっているんだから、もう少し分けてくれてもいいのに!」と思い、トラブルに発展するケースがあるそうです。

親よりも先に死ぬことを想定して生命保険をかける方はほとんどいませんから、諦めてほしいところですよね。

そんな言いがかりをつけられたら姻族関係を終了したくなります。

もともと義理の両親と仲が悪く死後離婚したケース

義理の両親ともともと仲が悪く、疎遠だった妻のケースです。

結婚当初から「一人息子を奪われた!」と義理の両親から嫌われていた妻。

夫が病気になってしまい、余命わずかとなった際に止むを得ず義理の両親に連絡。

夫が亡くなった後、さらに義理の両親との溝が深まります。

葬儀は無理やり夫の実家で行うことになり、妻は参列すら許されませんでした。

また、生前は夫と同じお墓に入ろうと約束していたにも関わらず、義理の両親には分骨すら許してもらえませんでした。

夫を全て奪われてしまった妻は、ある日たまたま婚姻関係終了届のことを知り手続きをします。

義理の両親との縁を切って、新しい人生を進んでいくしかないと気持ちの切り替えをしたそうです。

姻族と同じお墓に入るのが嫌で死後離婚するケース

これは私の母も同じことを言っていました。

専門家によると、夫婦は必ず同じお墓に入らないといけないという法律は無いそうです。

ですが、姻族と同じお墓に入りたくない!という方は姻族との関係が悪化しているので、死後離婚をしたくなる理由が他にもあると考えられます。

夫との関係に悩んで死後離婚をする方もいる

夫との関係に悩んで死後離婚

これまで夫の姻族とのトラブルで姻族関係を終了させた方のケースを紹介しました。

中には夫との関係自体に悩み、縁を切るために死後離婚を選択した方もいます。

夫との女性関係に悩み、数年前から別居していた妻のケースです。

別居後、夫が病気になったため看病を行いますが、夫と浮気相手の写真を見て気持ちが変わります。

もうこれ以上は無理だ。

そう感じた妻は、夫の死後に復氏届と姻族関係終了届を提出することを決断します。

復氏届とは、結婚前の戸籍・名字に戻ることで、もうひとつの死後離婚とも呼ばれているそうです。

夫との関係を断ち切りたい、名前も名乗りたくないという方は復氏届もあわせて提出することもあります。

復氏届について詳しく

復氏届を出すことで妻は結婚前の戸籍・名字に戻れます。

実の両親が亡くなっていたり、元の戸籍に戻りたくない場合は分籍届を出すことで新しい戸籍を作ることができます。

また、姻族関係終了届と同様で遺族年金などの手当ては変わらず受け取ることができます。

復氏届で注意すべきなのは、子どもがいる場合、子どもの戸籍・名字は元のまま(夫の戸籍)になるということです。

子どもの戸籍・名字も自分のものにする場合は手続きが少々ややこしくなります。

家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立書」を提出し、許可をもらわなければいけません。

許可が下りた後、「入籍届」を提出して自分の戸籍に子どもの戸籍を移動させます。

子どもが未婚や未成年の場合、必要になるかもしれない手続きですね。
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死後離婚が増えて親世代にも変化が

死後離婚が増えている一方で、親世代の行動にも変化が現れています。

通常、義理の親が無くなると妻には相続権は発生しません。

ですが、息子の妻にも遺産を残したいと考え遺言書を残す方が増えているそうです。

これには息子の妻に対する純粋な感謝の気持ちもあります。

中には息子の死後も妻と仲良くやっていきたいから…と死後離婚を防ぐために遺産を残そうとする方もいるそうです。

夫と息子に先立たれ、息子の妻と2人で暮らしていたA子さんのケース

番組で紹介された例です。

息子(長男)の妻と2人で暮らしていたA子さんは、ある日、妻から相談を受けます。

「いずれA子さんが亡くなったら、次男に相続権がある。

今住んでいる家を出ていかなければいけないから、今のうちに姻族関係を終了させて家を出たい。」

妻からの相談を受け、A子さんはショックを受けます。

死後離婚は避けたい、そう考えたA子さんは遺言書を用意し、自分の死後も息子の妻がこの家に暮らせるようにしたそうです。

姻族と特にトラブルがなければ無理に死後離婚をする必要はないということですね。

死後離婚という呼び方に違和感がある

姻族関係を終了させた方の中には、介護や遺産などのトラブルで止むを得ず届けを出した方も多くいます。

夫のことは今でも愛しているし、夫と離婚したわけではない。

それなのに死後離婚と呼ばれることに違和感を覚えています。

夫や子どもたちと縁を切ったわけではなく、夫の親族と縁を切っただけなのに離婚という表現をされると悲しいですよね。

姻族関係を終了させる方にも色々な事情があることが今回の特集でわかりました。

一般的に死後離婚という言葉が使われても、それに対して偏見を持つことがないようにしたいですね。

まとめ

死後離婚について様々なケースを見てきました。

今は義理の両親と仲が良くても、夫の死後はどうなるか誰にもわかりません。

自分が同じ状況になった時や、親しい人が悩むことがあれば、姻族関係を終了させることも視野に入れて問題解決したいです。