死後離婚したい。30年以上専業主婦をしてきた母の決意

死後離婚したい!30年以上専業主婦をしてきた母の決意





死後離婚を考えている。

そう告げたのは30年以上専業主婦をしてきた私の母です。

母の決意を聞いて、正直なところあまり驚きはありませんでした。

父と母のやりとりを長年見てきて、よく今まで離婚せずにやってこれたな、というのが子どもである私の感想。

そのくらい父と母は折り合いが悪かったのです。

父、というよりは父方の親族が母に辛く当たり、それに対して父は楽観的に考えて何もしない…ということがずっと続いていました。

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母が死後離婚を決めた理由

母が父の死後に離婚したいと思い至った理由はひとつ。

父と、その親族と一緒のお墓に入りたくないからです。

母は30年以上祖父母と同居し、肩身の狭い思いをしてきました。

話の通じない祖父に陰険な祖母とのやりとりに日々苛立ち、悔しさのあまり泣いてしまうことも。

そんな母の姿を見ながら私たちきょうだいは育ちました。

私が中学生になる頃には、両親は離婚するだろうな。

きょうだいの間ではそんな話までしていました。

ですが、両親は離婚しませんでした。

私たちが進学や結婚をするときに、片親では困るだろうというのが理由のようでした。

母が日々苦しむ姿を見るくらいなら離婚してほしい。

私はそう考えていました。

ところが私たちが大学に進学したり結婚して家を出ると、両親の仲が一時的に回復しました。

子どもが独立してお互い気持ちに余裕ができたように見えました。

また、ずっと母に嫌な態度をとってきた祖父母が齢をとって柔和になってきたのも要因のひとつのようでした。

孫が生まれたこともあり、以前より家族が集まる機会が増えました。

このまま両親は離婚せずに暮らしていくんだろうな。

そう思えることが増えていきました。

そんな中、突然祖父が亡くなりました。

お通夜とお葬式を済ませてお墓に納骨に行った際、母の気持ちが変わりました。

お墓の中を見た瞬間「こんな人たちと一緒の墓に入りたくない」

母は強く感じたそうです。

晩年の祖父は少し痴呆が始まっていたこともあり、穏やかな性格になっていました。

ですが、母はこれまでに受けた酷い仕打ちを忘れることができませんでした。

今まで離婚せずに耐えてきたんだから、せめて死ぬときは自由になりたい。

父の家族として一緒の墓に入ることだけは、絶対に嫌だ!

そう思い、母は父の死後、離婚することを決意したそうです。

死後離婚とは具体的にどうするの?

母の決意を聞かされ、子どもの私たちも協力することになりました。

まずは死後離婚について調べました。

意外だったのは、配偶者の死後に離婚することはできないということです。

離婚とは夫婦お互いの同意が必要で、配偶者が亡くなっている場合は不可能なのです。

配偶者の死後に離縁したい場合は、姻族関係終了届というものを提出することになります。

姻族関係終了届の手続きは本籍地、または現住所の役所で行います。

  • 夫婦の戸籍謄本死亡した配偶者の方は死亡記載のあるもの
  • 認め印

この二つがあればすぐに届けを出すことができます。

これで夫婦の婚姻関係を終わらせることができるのです。

思ったよりも簡単そうです。

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姻族関係を終了するメリット

死後離婚、つまり姻族関係を終了する一番のメリットは、配偶者の親族と縁を切れるということです。

私の母は祖父母とうまくいっていませんでした。

さらに父の兄弟たちにも嫌がらせを受けていて、子どもの私たちにも嫌がらせが及ぶことがありました。

そんな親戚たちと、父の死後も親戚関係を続けていくことはできません。

姻族関係終了届は簡単に提出できますし、縁を切った方が絶対に得です。

なお、姻族関係を終わらせても遺族年金は受け取れますし、相続した遺産もそのまま受け取ることができます。

母のようなケースでは、死後離婚にはメリットしかないように感じました。

さいごに

母が死後離婚を考えている、ということを延々と書きましたが、父はまだまだ元気で病気ひとつしません。

実際に死後離婚するとなっても先の話になるでしょう。

ですが、母の決意を早くに聞けて良かったと思います。

もし母が父より先に亡くなるようなことがあれば、納骨や供養を私たち子どもが引き継ぐことになります。

また、簡単に縁を切ってしまうと言ってもお墓の管理や法事など必要な維持管理があります。

そのことについて私たちが対策を考える猶予も必要ですから、早めに相談してもらえて良かったのです。

死後離婚と聞いて否定的な意見の方もいるでしょう。

ですが、母の「死ぬときは自由になりたい」という言葉を聞くと、私は何も言えませんでした。

祖父母や父方の親戚たちに酷い扱いを受けながらも子どものために離婚を踏みとどまってきた母の30年の苦労を思うと、とても反対なんてできません。

母の決意を尊重して、応援することが親孝行なのだと感じました。

この記事が、同じように悩んでいる方の役に立てれば嬉しく思います。